フライラインについて

 フライラインには種類が沢山あり、初心者にとっては複雑に感じる部分でもあると思いますが、フライフィッシングにおいてはとても重要です。それぞれのポイントで、そこに合ったシステムで釣りをすることが魚とのコンタクトには一番の早道です。面倒くさがらずにこまめにシステムを変更し、適切なシステムで釣りをすることが重要です。

ラインの種類

1.DT(ダブルテーパー)ライン

 主に、1~4ロッドで渓流~中流域のドライフライ、ウェットフライ、ルースニングに使用します。
 中心が太く、両端が細いラインで、ど真ん中で真っ二つに切ると両端が同じテーパーデザインになっています。
 キャスト後の細かいライン操作がしやすいのが利点です。複雑な流れの渓流~中流域において、メンディングをすることで意図的に流れをかわします。ラインにテンションをかけずに出来るだけ長くナチュラルにフライを流すことで、魚とのコンタクトチャンスを増やすことができます。

Frequency Trout/Mastery Wavelength LDL/Wavelength Finesse

2.WF(ウェイトフォワード)ライン

 重心の比重がライン先端にある全長約24m~27mのラインです。
ライン先端部が一番太く、7~8mから10数mにかけてテーパーがかかっていて、残りはレベルライン(同じ太さのライン)となります。
ロッドティップからレベルラインを50~100cm程度出してキャスティングします。
単純に投げやすく、一番よくつかわれているラインです。

Frequency Trout/Amplitude smooth Trout/Amplitude Smooth Creek Trout/Amplitude Smooth Infinity

3.STH(シューティングヘッド)システム

 30~40mの「シューティング(ランニング)ライン」と呼ばれるラインの先に、付け替え可能な「シューティングヘッド」と呼ばれるラインを繋ぐシステムです。

 シューティングヘッドには様々なタイプ・長さのテーパーデザインがあり、釣り場の多様な状況に応じてヘッドをこまめに交換することで、効率良く魚の居る層を探ることができます。

 テーパーデザインには、水面に浮かせて表層を狙う「フローティングライン」、水中に沈めて中層や深層を狙う「シンキングライン」などがあり、さらにシンキングラインは各シンクレート(沈下速度)ごとに分類されています。
 また、キャスティングの方法に合わせてオーバーヘッド用や、スペイキャスティング用などに分けられています。

シューティングラインにも形状に種類があります。
「モノコア」、「ブレイデッドコア」ラインは、普通のフライラインの材質で、より細く丈夫に作られていて、キャスティングの飛距離も出やすいです。
「モノフラット」ラインは比較的安価で大変滑りが良く、飛距離も出やすいラインですが、クセが付きやすく、キンクなどのトラブルも起きやすいラインです。

 私は普段から、マスタリーのアトランティックサーモンショート(ヘッド)とモノフラットコアライン(シューティングライン)をつなげたシステムをよく使っております。1組のロッドとリールで最大5~6本のテーパーを使用します。マスタリーのアトランティックサーモンショートは、オーバーヘッドでもスペイでもどちらでもキャストできるので一番使いやすく、使用頻度の高いラインです。

Atlantic Salmon Short SWTスイッチロッド用/DHダブルハンド用/SHシングルハンド用

4.スカジットヘッドシステム

スカジットキャストのために作られた「シューティングライン」と「スカジットヘッドライン」を繋いだラインシステムです。
スカジットキャストはスペイキャストから進化したため、上記のSTHシステムにシステムが良く似ています。ですが、スカジットヘッドは同じ番手のシューティングヘッドよりも短く太くすることで、従来では投げられなかったような重たいフライのキャストを可能にしました。

スカジットヘッドライン自体は、「ボディー」と「ティップ」に分かれ、 ボディーは「フローティングライン」と「シンキングライン」、ティップは「フローティング」のほか、4種類のシンキングタイプがあります。
釣り場の状況に合わせて、いずれかの「ボディー」と「ティップ」を組み合わせます。

 このラインはオーバーヘッドキャストは出来ません。スペイキャストから派生したキャスティングテクニックですが、コンパクトさや投げやすさを追及した独自のスタイルです。このキャスティングを覚えれば釣り自体がものすごく楽になりますよ。

Spey Lite Skagit Head

ラインの重要性について

―挫折しないためにもー

 フライフィッシング初心者の方が挫折する理由として一番多く上がるのは、「キャスティングが上手くできない(上手くならない)から」、二番目が「正しいキャスティングを教えてくれる人がいないから」です。ですが実は、「キャスティングが上手くできない」原因の一つが【フライラインの質】にあるんです。残念ながら多くの人はそれを知らずに挫折してしまいます。

 どういうことかと言うと、安価なラインなど滑りが悪いものでキャスティングすると、無駄に力んでしまいラインの軌道が乱れ、ライントラブルが起きてしまい、飛距離も出なくなっていまいます。それが続くと「フライキャスティングって難しいなぁ」と感じて諦めてしまいます。

 ですが反対に滑りがいいラインであれば、余計な力が入らないので安定したキャスティングができて、その分飛距離も出しやすくなります。それが結果として実釣の際のストレスを大幅に減らす事にもつながります。しかも耐久性のあるラインは、買い替えの頻度も少なくて済みます。

 末長く、快適にフライフィッシングを楽しむためには、フライラインだけでもできるだけ高品質の物をお勧めします。

SCIENTIFIC ANGLERS MASTERYディーラー

 当店はサイエンティフィックアングラーズの「マスタリーディーラー」となっております。
マスタリーディーラーとは、フライフィッシングに精通し、製品に関する専門的なアドバイスができるスタッフがいると認定された店舗です(地域一店舗)。そのため、ディーラーのみが取り扱うとかができる、マスタリーシリーズを一番多くとりそろえております。このマスタリーというラインは、サイエンティフィックアングラーズ製品の中でも最高峰の品質です。とても滑りが良く、コーティングも素晴らしいメンテナンスフリーのラインが多いのです。

ロッドよりもリールよりも、まずは良いラインを選んでください。もしかすると、ロッドよりリールよりラインの方が高い場合があります。ラインはそれほど重要ですよ。




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